「頭に鍼を刺す」と聞くと、育毛やリフトアップなど、美容目的のイメージを持たれる方が多いです。でも実は、頭部への鍼は“心と身体のバランスを整える”ための大切な施術でもあるのです。
頭皮は、体の中でも特にストレスの影響を受けやすい場所。自律神経の乱れや眼精疲労、イライラ、不眠など、現代人に多い悩みは頭部の筋緊張や血行不良と深く関係しています。
鍼灸では、頭にある「百会」「神庭」「風池」と言われるツボを使い、自律神経を整えたり、脳の血流を促したりするアプローチを行います。鍼がわずかに皮膚を刺激することで、脳がリラックスモードに切り替わり、ふっと気持ちが軽くなるような感覚が得られることも。
また、頭部には感情や思考のクセが現れやすく、緊張が蓄積しやすい部位です。無意識に眉間やこめかみに力が入り、頭が“ガチガチ”になっている方も少なくありません。そうした緊張をゆるめることで、頭痛や首こり、さらには顔の表情や目の開きまで変わってくることがあります。
東洋医学では「頭は全身の経絡が集まる場所」とされており、内臓の働きや心の状態とも密接に関わっています。だからこそ、頭への鍼は“身体の中から整えていく”施術のひとつなのです。
「最近、考えごとが多くて疲れる」「眠ってもスッキリしない」そんな時は、頭への鍼を受けてみてください。軽く、静かに、自分を整える時間になるはずです。
