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震災や災害後に起きる PTSD(心的外傷後ストレス障害)  対策・こころと身体のケア

震災や災害に遭った方々は心身に大きなストレスがかかり体にさまざまなストレス反応が現れやすいです。RTSD(心的外傷後ストレス障害)もこういった震災や災害が原因により起こる体の反応の一つです。今回はこのPTSDを防ぐための対策や心身のケアについてご紹介していきます。

震災・災害による心身へのストレス

震災や災害に遭うと、ストレスによるさまざまな反応が心身に起こります。
2011年3月に発生した東日本大震災の後、時間の経過や生活環境の変化に伴い、心身にストレスの影響が現れたり、不調や不安、仰うつ状態を訴える方は4人に1人以上の割合で発生していたと調査でわかっています。
震災による身体へのストレス反応では次のような症状が出ることがあります。

不眠症や睡眠障害

不眠症
震災による恐怖感や不安感は身体にに大きなストレスを与えます。こういったストレスがかかることで自律神経の交感神経が強く刺激され、心身が常に緊張状態になることで身体をリラックスさせることができず、眠りが浅くなってしまったり、寝付けなくなったりといった不眠症や睡眠障害を引き起こしやすくなります。

また、不眠は抑うつを助長します。また、通常は眠っている間、交感神経は活動を休め、血圧は低下するように調節されますが、不眠症などにより交感神経が優位なままになると、翌日の血圧まで高くなるといったことが起きます。

動悸・血圧の上昇

動悸・血圧上昇
ストレスにより交感神経が優位になることで、心拍数や血圧が上昇します。
本来は、このような反応が起こると、上昇した心拍数や血圧を下げるために副交感神経が働き、
次第に数値が下がっていきます。
しかし、震災や災害による強いストレスが長期間続くと、交感神経の働きが高まったままになり、
心臓に負担がかかります。
それにより動悸を強く感じたり、高血圧が長期間続いたりといった症状が起こります。

身体の倦怠感や凝り

倦怠感
不安やストレスがあると、体が強く力んだり、筋肉や神経の緊張が高まり、血流が悪くなることで強い倦怠感や強張りを感じたり首肩の凝りを強く感じたりといった症状が現れます。
こういった身体の不調も心身の緊張状態が続くことで長期間続いてしまいます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは

震災や災害などに遭遇すると、人は強いストレスを感じ、こころは強い衝撃を受けます。
PTSDとは震災や災害などの衝撃的な出来事を経験した際に、それが大きな心の傷(トラウマ)となり、さまざまな症状が現れる疾患です。
きっかけとなる出来事から時間が経っても、強い恐怖心や不安を感じたりフラッシュバックに苦しんだりと日常生活に支障が出ることもあります。

PTSDを引き起こす年齢層は幅広く男性よりも女性に多く現れると言われています。

2011年に発生した東日本大震災の後には、PTSDと言われた方もいらっしゃるかもしれません。

震災・災害による心身のストレスを緩和させる方法

上記で紹介してきたようなストレス反応は、震災や災害などで被災すれば
誰にでも起こりうる可能性があります。
症状を自覚したときは、以下のリラックス法を実践してみましょう。

大きくゆっくりな呼吸を行う

深呼吸
ストレスを受けると心拍数が増加し、呼吸も浅く、かつ速くなります。
意識して深くゆっくりと呼吸することで、気持ちを落ち着かせリラックスすることができます。
また深い呼吸である腹式呼吸は自律神経を刺激し、交感神経が優位な状態から副交感神経を優位な状態に変える働きがあります。
副交感神経が優位に働く事で、身体がリラックスした状態になり上昇した心拍数や血圧を低下させる効果があります。
また、寝つきを良くしたり、睡眠を深くする効果などのもあります。

ストレッチ

ストレッチ
ストレッチ行うことで筋肉の緊張がほぐれ、血行がよくなりリラックス効果が得られやすくなります。

心身のストレスや緊張状態が強いと首や肩が特に力みやすくなるため首肩周りを中心にストレッチしてあげるのがおすすめです。
また、足や背中の筋肉も大きな筋肉のため、ストレッチを行いゆるんでくると血行がより改善されやすくなります。

また、ストレッチは筋肉を伸ばしたら20秒ぐらいを目安に姿勢をキープさせる静的ストレッチがおすすめです。
細かい反動をつける動的ストレッチはスポーツを行う前の準備運動には適していますが、リラックス効果を得たい時には反動をつけずゆっくりと筋肉を伸ばす静的ストレッチを行ってみてください。

マッサージや鍼灸

マッサージ
大きな呼吸やストレッチでもなかなか身体の力みや心の緊張感が取れない方はマッサージや鍼灸を行なってもらうのがおすすめです。
マッサージは硬く凝ってしまった筋肉を優しくほぐし、更に滞った血流を促進させる効果があるため身体が温まりリラックス効果を得ることができます。

また、鍼灸は自律神経の働きを整えることができます。
そのため、緊張状態で優位に働いてしまっている交感神経の働きを抑え、リラックス効果のある副交感神経の働きを優位にさせる効果があります。

適度な運動

ウォーキング
適度な運動にはストレスを軽減させる効果があります。また、運動を行うことによって就寝時の寝つきをよくするといった効果もあるので運動を行うことはとてもおすすめです。
行う運動としてはウォーキングなどがおすすめです。天気のよい日にご自身のペースに合わせて歩いてもらうと、リラックス効果が期待できます。

まとめ

震災や災害に遭った方々は心身に大きなストレスがかかり体にさまざまなストレス反応が現れやすいです。

こういった反応は災害に会われた時などの強いストレスを受けたときに、多くの方に起こりうる
正常な反応です。
ですが、こういったストレス反応を誰のも相談せず、一人で抱え込んでしまうと症状が悪化してしまう
場合もあります。

少しでも体調やお身体に変化を感じた方は1人で抱え込まず身近な方や相談機関にご相談ください。
また、ストレス症状がなかなか治らない方はぜひ、上記のストレス対策も試してみてください。