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鍼でアレルギー症状はやわらぐ?

花粉症・ヒスタミンと身体の反応について**

春や秋になると多くの方が悩まされる花粉症。鼻水やくしゃみ、目のかゆみだけでなく、倦怠感や集中力の低下など、日常生活に影響が出ることも少なくありません。花粉症をはじめとしたアレルギー症状は、「ヒスタミン」という物質が大きく関わっています。今回は、ヒスタミンが身体でどんな働きをするのか、そして鍼がそのつらさをどのようにサポートできるのかをわかりやすくお届けします。

■ ヒスタミンってどんなもの?

ヒスタミンは、体内にある「肥満細胞(マスト細胞)」という細胞の中に蓄えられている物質です。アレルゲン(花粉やハウスダストなど)が体に入ると、肥満細胞が反応してヒスタミンを放出します。
このヒスタミンが、鼻の粘膜を刺激して「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」を起こしたり、目のかゆみを引き起こしたり、血管を拡張させてむくみやだるさを感じさせたりします。

つまり、花粉症の“つらさの正体”の多くは、ヒスタミンの作用によるものなんですね。

■ 鍼はヒスタミン反応にどうアプローチするの?

鍼灸では、アレルギー症状を「体質の偏り」や「気の巡りの乱れ」「免疫の過剰反応」として捉えます。
鍼は、次のような点にアプローチすることで、ヒスタミンが引き起こす反応を落ち着かせるサポートができます。

① 自律神経の調整で過敏な反応をやわらげる

アレルギー症状が強い時は、交感神経が高まりすぎたり、逆に副交感神経が働きすぎて鼻水が止まらない…など、自律神経のバランスが乱れがちです。
鍼は、この自律神経の調整が得意なため、過剰な免疫反応を落ち着かせ、鼻の通りや目のかゆみの軽減に役立ちます。

② 全身の血流を整えて、ヒスタミンによるだるさを軽減

ヒスタミンが血管を拡張させすぎると、頭がぼーっとしたり、体が重く感じたりします。
鍼で血流が整うと、余分な熱や滞りが流れやすくなり、アレルギー時特有の「だるさ・むくみ・頭重感」が軽くなったという声も多いです。

③ 鼻周り・目周りのツボで局所的にもアプローチ

迎香(げいこう)や上星(じょうせい)など、花粉症のケアに向いているツボを使うことで、鼻づまり・鼻水・目のかゆみなど、局所的な症状にも直接アプローチができます。
鍼ならではの“ピンポイント調整”は、この季節に特に喜ばれるポイントです。

■ 東洋医学では「体質改善」のチャンスの季節

東洋医学的には、アレルギーは「肺・脾(消化)・腎」の弱りが関係すると考えられています。
・疲れやすい
・胃腸が弱い
・冷えやすい
・寝不足が続く
こういった状態は、アレルギー症状を悪化させやすい土台になります。

鍼灸では、この「体質の土台」そのものを整えていくことで、来年以降の花粉症のシーズンを楽に迎える身体づくりが期待できます。

特に、花粉症の症状が落ち着く「オフシーズン」に体質改善の施術を重ねるのは、とても効果的です。

■ 鍼を取り入れて、アレルギーの季節を少しでも快適に

花粉症やアレルギー症状は、薬だけに頼らず、身体のバランスを整えることで軽くなることがあります。
鍼は、自律神経・血流・局所のツボへのアプローチを通じて、つらいアレルギーシーズンをサポートできる施術です。

「薬を減らしたい」「眠くなるのがつらい」「季節の変わり目が毎年しんどい」
そんな方にこそ、一度試していただきたいケアです。

つらい季節を少しでも快適に過ごせるよう、鍼灸でお手伝いできれば嬉しく思います。